新着情報
2017/01/16 
特定譲渡制限付株式の会計処理と税務処理
特定譲渡制限付株式の会計処理と税務処理

平成28年度税制改正により、法人税法上、損金算入の対象となる事前確定届出給与の範囲に、一定の要件を満たす譲渡制限付株式が含まれることになりました。これは、会社が役員に対して報酬債権を付与し、役員から報酬債権の現物出資を受けるのと引き換えにその役員に対して一定期間の譲渡制限が付された株式(特定譲渡制限付株式)を交付することにより業績向上のインセンティブ効果が期待されるものです。

役員側の税務上の扱い
特定譲渡制限付株式を交付された役員等に対する所得税の課税時期については、所得税法上の収入金額が発生するのは、譲渡制限が解除された日となります。
また、収入金額は、譲渡制限が解除された日における価額とされます。
従って、法人税の損金算入額と所得税における給与所得等の収入金額とは必ずしも一致しません。
所得税法上の所得の種類は、特定譲渡制限付株式の交付法人と交付を受けた者との関係性に応じ、
- 交付法人との間の雇用契約又はこれに類する関係に基因して交付されたと認められる場合には、原則的に給与所得に該当します。
- 交付された者の退職に基因して譲渡制限が解除されたと認められる場合には、退職所得に該当します。
- 個人の営む業務に関連して交付されたと認められる場合には、その業務の内容に応じ事業所得又は雑所得に該当します。
上記のいずれにも該当しない場合には、原則的に雑所得に該当します。
一方、譲渡制限解除後に株式を売却する時点で、株式譲渡による所得がある場合には譲渡所得となります。
また譲渡制限期間中の配当は(本来の配当と同様)配当所得となります。

特定譲渡制限付株式に係わる利益が給与所得や退職所得に該当し特定譲渡制限付株式の交付などの事務が国内で行われている場合には、給与の支払い事務が国内で行われていることになり特定譲渡制限付株式の譲渡制限が解除された日の株式の価額に対して源泉徴収を行う必要があります。

発行法人の会計処理
会社が役員等に金銭報酬債権を付与し、役員等からその金銭報酬債権の現物出資を受け、その引き換えに特定譲渡制限付株式を交付する場合の会計処理は、付与した金銭報酬債権相当額を前払費用等の科目で資産計上し、現物出資された金銭報酬債権の額を資本金等として計上することとなります。
特定譲渡制限付株式の交付後は、現物出資等をされた報酬債権相当額のうちその役員等が提供する役務として当期に発生したと認められる額を、対象譲渡制限期間を基礎とする方法等の合理的な方法により算定し、費用計上します。
仕訳としては、以下となります。
- 報酬債権3,000を役員が現物出資、特定譲渡制限付株式を交付、譲渡制限期間は3年の場合
報酬債権付与及び株式発行時
前払費用等 3,000 / 資本金等 3,000
役務提供1年目以降3年間(毎期、費用化)
株式報酬費用 1,000 / 前払費用等 1,000

損金算入の時期と額
役員等に付与された特定譲渡制限付株式が法人税上損金算入される時期は、役員等に給与所得等の収入金額が生じた日(給与所得事由)とされており、これは譲渡制限が解除された日となります。
給与所得事由とは、個人の役務提供について、所得税法等の規定により、給与所得等に係わる収入金額が生ずべき事由とされます。
また会社が役員等から特定譲渡制限付株式を没収(無償取得)した場合も、その部分については役員等に給与等課税事由が生じないため、損金算入の対象とはなりません。
2016/11/28 
外国法人課税原則の見直し
外国法人の所得に対して、源泉地国としてどこまで課税を及ぼすかについて大きく分けると総合主義(PEあれば全ての国内源泉所得に課税)と帰属主義(PEに帰属する所得について課税)がありますが、日本は国内法ではこれまで外国法人課税について、総合主義を採っていました。一方租税条約ではOECDで採用している帰属主義を採用するために、国内ではダブルスタンダードの状態になっていました。
今回、総合主義になっていた国内法を帰属主義に合わせるために税制改正が行われ、租税条約との整合性が図られました。
改正の主な内容は、以下となります。
- 法人税課税がされていたPEを有する外国法人の本店直接投資所得(配当、利子、使用料など)は源泉課税のみで完結
- 所得の算定方法も法令上明確にされたが、大きな影響としては、内部取引の認識、PEの帰属資本の算定と支払利子控除制限、文書化、第三国所得の認識と外国税額控除などがある。
- 金融業(保険、銀行、証券)における帰属資本は外国法人単体もしくは連結ベースのリスクウェイト資産と日本支店のリスクウェイト資産の比で求められることとされた。
- 日本国内にPEを有していない外国法人については、改正による影響はないものと考えられる。
- 改正の適用開始は平成28年4月1日以後開始事業年度(暦年事業年度としている外国法人は平成29年1月1日からの適用)

帰属主義への変更で、大きな影響としては、PE所在地国と所得の地理的な関係は問わず、PEに帰属する全ての所得について法人税課税をするものであり、帰属しない所得はたとえ、PE所在地国で発生した所得であっても申告の対象とはならないという考え方、よってPEを独立した内国法人とみなして課税を行う方式であり、本店との間の内部取引も所得の計算上、認識することが求められます。PEに帰属する国内事業所得については、以前の総合主義と課税範囲は変わりませんが、本店との内部取引及び第三国源泉所得で国内PEに帰属するものが追加で課税の対象となります。一方、本店が稼得した国内源泉所得は申告課税の対象外となります。
2016/06/09 
平成28年度改正 法人課税
法人税率の引き下げ
平成28年4月1日から平成30年3月31日までの間に開始する事業年度について、法人税の税率が23.9%から23.4%に引き下げられます。平成30年4月1日以後に開始する各事業年度については、23.2%に引き下げられます。

法人実効税率については、以下のように変更になります。
      平成28年  平成29年  平成30年以後
中小法人  33.8%   33.8%   33.59% (年800万円超の金額)
大法人   29.97%  29.97%   29.74% (外形標準課税の所得割のみを含めたもの)

減価償却の見直し
平成28年4月1日以後取得の建物付属設備・構築物については、計算の方法が、定額法のみの採用になります。

欠損金の繰越控除
平成29年4月1日以後に開始する事業年度において生ずる欠損金額の繰越期間は10年(それ以前は9年)となりました。
また欠損金の所得との控除割合限度が、平準化され、以下のようになります。
平成27年4月1日~ 平成28年3月31日 100分の65
平成28年4月1日~ 平成29年3月31日 100分の60
平成29年4月1日~ 平成30年3月31日 100分の55
平成30年4月1日以降 100分の50

役員給与(報酬)の損金算入関連
事前確定届出給与について、事前届出が損金算入には求められていましたが、リストリクテッド・ストックの交付の場合には、事前届出は不要となりました。(リストリクテッド・ストックとは譲渡制限付き株式の付与で、現在、米国で多くの会社が導入しているインセンティブプラン)
2015/11/26 
来日芸能人・スポーツ選手(外国人)報酬の消費税
外国人(芸能人やスポーツ選手)が来日し、得た報酬については、当該報酬は原則消費税の課税対象となります。この年間の報酬が1,000万円を超えた場合には、この外国人は翌々年度には消費税の課税事業者となります。
課税事業者となった場合には、その年の報酬の金額の大小に関わらず、消費税の申告・納税の必要が生じることとなります。具体的には、課税事業者となった段階で、当該外国人が国内に納税代理人を選任し、この納税代理人が代わって、申告・納税または届出の提出を行うこととなります。

しかし、来日外国人は、国内に事務所もなく短期滞在であるなどの特殊性から、その全容を把握することは困難であり、外国人の申告義務を、全て把握することは困難なことから、2015年税制改正で、2016年4月から外国人事業者に報酬等を支払った国内事業者に納税義務を課し、仕入税額控除の適用条件として納税義務を課すことで、外国人事業者の無申告の発生を防止し、本来なら外国人事業者が納めるべき消費税を、国内事業者が代わりに納めることとなりました。(リバースチャージ方式の導入)
2015/08/10 
マイナンバー制度
マイナンバー制度は日本に住民票のあるすべての人に1つ付番される12桁の番号です。平成27年10月より通知が開始されます。
利用範囲は年金分野(年金事務所、共催組合、企業年金事務所において年金の資格取得、確認、給付を受ける際に利用)、労働分野(雇用保険の資格取得、確認、給付を受ける際に利用)、福祉・医療分野(医療保険、福祉分野の給付に利用)、税分野(確定申告、届出書、調書等に記載、当局の内部事務に利用)、災害対策分野(被災者支援の給付などに利用)が予定されています。

住民票を基礎としているため、住民票を持っている外国人住民にもマイナンバーが付番されます。

海外赴任者は海外赴任中に引き続き給与を支給されている者は非居住者であり、この給与は国外源泉所得として、国内では課税されないので、個人番号については記載の必要はありませんが、赴任後、年末調整の必要のある場合、当該年末調整について、個人番号の欄は空欄となります。
また、国内で不動産所得がある場合、国内源泉所得が発生しますが、確定申告の際、個人番号の記載は空欄となります。

法人へのマイナンバー制度も同時に施行され、13桁の法人番号が指定され、平成27年10月より通知されます。
対象は、会社法その他の法令により設立登記された法人で、株式会社、合名会社、合資会社、一般社団法人、一般財団法人、公益社団法人、学校法人、宗教法人、など登記のある各種法人です。法人番号については国税庁より各法人へ通知されます。
法人番号を受けた法人の、商号、本店(または主たる事務所の所在地)、法人番号を国税庁はインターネット上に公表されます。
また商号、所在地に変更があった場合、その変更履歴も公表されます。

税分野においては平成28年1月以降利用される予定で、法人税の申告の場合、平成28年1月以降に開始する事業年度に係る申告から、法人番号を記載することとなります。
2015/07/02 
平成27年度改正 消費税
主な改正は以下の通りです。
- 消費税率の引上げ
平成29年4月1日より8%から10%への引上げとなります。

- 電気通信利用役務の提供について内外判定基準の見直し
電子書籍・音楽・広告の配信などインターネットなどを介して行われる、電気通信利用役務の提供について、消費税の国内取引の判定基準が役務の提供を行う者の事務所等の所在地から、役務の提供を受ける者の住所地等に見直されました。

役務の提供 改正前 改正後
国内事業者→国外事業者 国内取引(課税) 国外取引(不課税)
国外事業者→国内事業者 国外取引(不課税) 国内取引(課税)
国内事業者→国外消費者 国内取引(課税) 国外取引(不課税)
国外事業者→国内消費者 国外取引(不課税) 国内取引(課税)
国内事業者→国内消費者 国内取引(課税) 国内取引(課税)

国内で取引が完了している国内事業者→国内消費者以外の取引については、改正後、課税の判定が反転していることになります。

- リバースチャージの導入
国外事業者が行う事業者向け電気通信利用役務の提供について、当該役務の提供を受けた国内事業者に申告納税義務を課す方式(リバースチャージ方式)が導入されました。この場合、当該国内事業者が申告・納税を行うこととなります。また当該役務の提供に係る課税仕入は、仕入税額控除の計算の基礎となります。当該国外事業者は、当該役務の提供について役務の提供を受けた国内事業者が納税義務者となる旨をあらかじめ表示しなければならないこととされています。
(経過措置により、一般課税による申告で課税売上割合が95%未満である場合にのみ適用されます。課税売上割合が95%以上の事業者や簡易課税が適用される事業者は、経過措置によりその仕入がなかったものとみなされます。また免税事業者にこの納税義務はありません。)

- 国外事業者申告納税方式
国外事業者が行う電気通信利用役務の提供のうち、事業者向け電気通信利用役務の提供以外のものについて、国外事業者に申告納税義務を課す方式が導入されました。

- 登録国外事業者制度の創設
電気通信利用役務の提供のうち事業者向け電気通信利用役務の提供以外のものについては、登録国外事業者から提供を受けるもののみが仕入税額控除の対象となります。
登録国外事業者の登録制度は平成27年7月1日から施行されます。登録された登録国外事業者名については、国税庁ホームページで公表されます。
2015/05/22 
平成27年度改正 法人課税
主な改正は以下の通りです。
(1) 法人税率の引下げ
法人税率が25.5%から23.9%に下がります。(平成27年4月1日以後開始する事業年度より適用)
(2) 欠損金繰越控除の改正
大法人について、現行では欠損金の控除限度額が所得の80%までと制限されていますが、平成27年4月1日以後に開始する事業年度については所得の65%、平成29年4月1日以後に開始する事業年度については所得の50%と改正されます。また繰越期間は現行9年ですが、平成29年4月1日以後に開始する事業年度に生じた欠損金については10年に延長されます。
(3) 地方税における法人事業税の外形標準課税の拡大
所得割を引き下げると同時に外形標準課税の付加価値割、資本割が引き上げられます。
現行 所得割(7.2%) 付加価値割(0.48%) 資本割(0.2%)
27年 所得割(6.0%) 付加価値割(0.72%) 資本割(0.3%)
28年 所得割(4.8%) 付加価値割(0.96%) 資本割(0.4%)
(4) 所得拡大促進税制の要件緩和
大法人、中小法人ともに、将来の給与支給額の増加割合について緩和がされました。
2015/05/13 
出国税
出国税
日本から出国し、その後、所得税の低率国において、所得を実現させる租税回避を防止するために、株式等に係る未実現のキャピタルゲインに対する課税を出国時に行う制度が平成27年より、導入されます。基本的には日本に居住する日本人を対象としています。
(本制度の対象となる外国人は、永住許可を受けた者や日本人の配偶者ビザで滞在している者などに限定されます。)

出国税について
1. 制度の概要
次の(1)の要件に該当する日本の居住者で、対象資産を有する者が、出国して日本の非居 住者となる場合には、出国時に、その対象資産を譲渡等したものとみなして、課税所得の金額を計算し、申告納税を行います。

(1) 対象者
次の要件をいずれも満たす居住者
イ 所得税法上の有価証券もしくは匿名組合契約の出資の持分、及び未決済のデリバティブ取引、信用取引もしくは発行日取引 といった対象資産の価額の合計額が1億円以上である者
ロ 出国の日前10年以内に、国内に住所又は居所を有していた期間の合計が5年超である者。ただし、出入国管理及び難民認定法別表第一の在留資格(投資・経営、人文知識・国際業務、企業内転勤等) をもって在留していた期間は除かれる
(2) 適用時期
平成27年7月1日以後の出国
(3) 帰国後の取扱い
本特例の適用を受けた者が、出国期間中に対象資産の譲渡等を行うことなく、5年以内(10年の納税猶予を申請した場合には、10年以内)に帰国をした場合には、帰国の日から4月以内に一定の手続きを行うことにより、出国時の課税を取り消すことができる
2.納税猶予
出国時に担保を供することにより、出国日から5年(申請により10年)の納税猶予が認められます。
3. 二重課税の調整
納税猶予の適用を受けている者が、出国先で対象資産の譲渡等を行い、外国の所得税を納税する場合で、出国先が日本の出国税の二重課税における調整を認めない場合には、日本において、外国税額控除が認められます。
また、日本に入国する際に外国で出国税の課税を受けた対象資産を日本で譲渡等する場合には、外国の出 国税と日本の所得税について、二重課税の調整が認められます。
2013/11/08 
国外財産調書の制度の導入
平成24年度の税制改正により、国外財産を保有する個人を対象に、その国外財産について申告をする仕組み(国外財産調書制度)が導入されました。(日本)居住者でその年の12月31日において、その価額合計額が5千万円を超える国外財産を有する個人は、その財産の種類、数量、価額を記載した国外財産調書をその年の翌年の3月15日までに提出しなければいけないこととされました。
国外財産の価額は、その年の12月31日における時価(等)によります。また外貨については、その年の12月31日における相場の為替換算額となります。
所得税法における財産及び債務の明細書を提出する場合には、国外財産調書に記載した国外財産に関する事項の記載は要しないこととなります。
国外財産調書を提出期限内に提出した場合には、国外財産調書に記載があるものに関して、申告漏れが生じたときであっても、過少申告加算税が5%減額されます。一方、提出がない場や、記載漏れがある場合には、申告漏れが生じたときは、過少申告加算税が5%加重されます。
国外財産調書に偽りの記載をした場合や正当な理由がなく提出しなかった場合には、1年以下の懲役又は50万円以下の罰金に処される場合があります。
2013/10/17 
消費税の仕入税額控除95%ルールの改正について
従来、課税売上割合が95%以上である場合には課税仕入れ等の税額の全額を控除することができました。しかしながら、平成23年度改正により、平成24年4月1日以後開始する課税期間より、課税売上割合が95%以上であっても、その課税期間の課税売上高が5億円を超える場合には、課税仕入れ等の税額の合計額は、個別対応方式又は一括比例配分方式のいずれかで計算することとなりました。
したがって課税売上割合が100%とならない限り、課税仕入れに係る消費税額に控除できない部分が発生することになります。

なお、個別対応方式を選択する場合には、課税仕入れ等の税額につき、
① 課税売上にのみ要する課税仕入れ(課税売上対応)、
② 非課税売上にのみ要する課税仕入れ(非課税売上対応)、
③ ①と②に共通して要するもの(共通対応)
の3区分にその区分を明らかにしておく必要があります。(仕訳入力する際にその区分を明らかにしておく必要があります)
区分していない場合には、一括比例配分方式のみが適用されます。(個別対応方式は選択できません)
一括比例配分方式を選択した場合には、2年間継続して適用した後でなければ個別対応方式に変更することができません。

個別対応方式
仕入税額控除の計算は次のように行います。
(課税売上のみに要する課税仕入れ等の税額)+(課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入れ等の税額×課税売上割合)

一括比例配分方式
仕入税額控除の計算は以下のように行います。
(その課税期間中の課税仕入れ等に係る税額の合計額×課税売上割合)

なお、その課税期間中における非課税売上が預金利息のみの場合であっても、課税売上にのみ要するもの(対応するもの)、非課税売上にのみ要するもの(対応するもの)のいずれにも該当しないものに区分される経費(本社管理部門等)は、個別対応方式による場合には、課税売上と非課税売上に共通して要するもの(共通対応)に区分されます。

課税売上にのみ要するものの意義・具体例
1) そのまま他に譲渡される課税資産
2) 課税資産の製造用にのみ消費し、使用される原材料、容器、包紙、機械装置、工具、器具、備品等
3) 課税資産に係る倉庫料、運送費、広告宣伝費、支払手数料等
4) 課税売上の販売促進等のために得意先等に配布している試供品等
5) 国外の資産の譲渡等のために要した国内での課税仕入れ等

例えば、通信費などは販売した課税製品のサポートセンターなど、課税売上に対応している部分が区分されている場合にのみ、課税売上に対応として区分可能であるが、そうでない場合には共通対応となります。
また、研究開発費のうち、会計上、基礎研究など製造原価に含めず一般管理費とした場合に、一般管理費についても課税売上のためだけに使用されたことが特定できるものについては課税売上に対応しているものとされます。

また課税売上に要するものとして仕入れた商品について、仕入を行った段階では、課税売上に対応するものとして区分したものの、のちに寄付などにより不課税取引となった場合には、遡って区分の修正をせずに仕入税額控除の計算を行うことができます。(消費税基本通達11-2-12なお書き)

消費税の計算上は以下の点に注意が必要となります。

社員に借上社宅を提供している場合
家賃の支払時、
地代家賃100/現金 100(非課税)
社宅家賃控除時、
現金10/受取家賃 10(非課税売上)という処理が必要となります。
地代家賃科目から控除しネットで表示されますと、非課税売上の金額が減少し課税売上割合が正しく計算されません。

預金利息を受け取る場合
現金80/受取利息100(非課税売上)
法人税等20(源泉所得税分)
同様に受取利息もグロスで表示しないと非課税売上の金額が減少し課税売上割合が正しく計算されません。
2013/05/30 
Matsuzawa & Co, アウトソーシング
現在、企業が様々な領域を外部に委託するアウトソーシング業務が注目され、またその案件も増加の傾向にあります。
実際、一定の業務を他社に委託し、その委託された会社がその業務に特化することは効率的であり、またノウハウが集約されることで専門性も発揮されます。過去においては、業務の一部を外部委託することで、会社内部にノウハウが蓄積されない、外部に会社内部の情報が漏れるといったことを理由に、会社経営者の方々はあまり積極的にアウトソーシングを活用されませんでした。
しかし、会社の本業に関わるノウハウの蓄積は会社の金のなる木です。本業たるノウハウの蓄積に経営資源を集中することで、これに特化しそれ以外のものは切り落としてもいいという考え方もあります。
これは、経理、人事、総務または内部監査といった機能を意味します。この領域はある程度、その会社特有のものというよりも、一般の会社に共通した普遍的な領域と考えることができます。
会社内部にその機能を有することで、経済的にも大変な負担になります。
例えば、1人の従業員を雇用することと外部に委託することでは、一般的に経済的負担は半分から1/3になるといわれています。
実際、1人の経理担当者を雇用するにあたり350万円から400万円相当、給与として発生しますが、アウトソーシング業務にそれだけ報酬が発生するでしょうか。
また従業員はその雇用は維持されなければなりませんが、外部委託すればいつでもその契約は終了もしくは再開できるのです。
会社内部の情報が漏れるのではという心配をもたれている経営者の方々もいらっしゃいます。委託された会社もしくは専門家には当然、守秘義務があり業務上得た情報はそれを外部に漏らすことはしないということが前提です。しかし、これは会社もしくは専門家のそれぞれの心の内部の問題です。そういった意味でモラル及びプロフェショナビリティーの高い専門家を選ぶことが必要となります。

一方、公開を目前にした企業につきましては、主たる管理部門の機能を外部にアウトソーシングすることが証券取引所や証券会社の審査上、問題になる場合がありますので、ご注意下さい。
2012/04/30 
Matsuzawa & Co, 平成23年度における重要な税制改正
平成23年度税制改正において、以下のような重要な改正が行われました。

国際課税
移転価格税制
独立企業間価格の算定方法の優先順位の見直し
OECDガイドラインの改定との整合性より基本三法(独立価格比準法、原価基準法、再販売価格基準法)を優先適用する規定は廃止、個々の事情を勘案し、最も適切な方法を選定することとされました。
これにより利益分割法の定義が法令上明確にされました。
外国税額控除制度の改正
タックスヘイブン国に存在する「税率が納税者と税務当局との合意により決定される」ような外国法人税として不適当な部分については、外国税額控除において外国法人税に含まないとされた。

消費税
事業者免税点制度の改正
平成25年1月1日以後開始する事業年度より、基準期間の課税売上高が1000万円以下である事業者のうち前年の事業年度等の上半期の課税売上高が1000万円を超える場合、その事業年度等において免税点制度の適用は受けることができません。なお、この特定期間の課税売上高が1000万円超であるか否かの判定については、事業者が特定期間中に支払った給与等の金額に相当するものの合計額をもって、特定期間における課税売上高とすることができます。(有利選択可能)

消費税の仕入控除95%ルールの改正
従来、課税売上割合が95%以上である場合には課税仕入れ等の税額の全額を控除することができました。しかしながら、平成23年度改正により、平成24年4月1日以後開始する課税期間より、課税売上割合が95%以上であっても、その課税期間の課税売上高が5億円を超える場合には、課税仕入れ等の税額の合計額は、個別対応方式又は一括比例配分方式のいずれかで計算することとなりました。
したがって課税売上割合が100%とならない限り、課税仕入れに係る消費税額に控除できない部分が発生することになります。

なお、個別対応方式を選択する場合には、課税仕入れ等の税額につき、

課税売上にのみ要する課税仕入れ(課税売上対応)、
非課税売上にのみ要する課税仕入れ(非課税売上対応)、
①と②に共通して要するもの(共通対応)

の3区分にその区分を明らかにしておく必要があります。(仕訳入力する際にその区分を明らかにしておく必要があります)
区分していない場合には、一括比例配分方式のみが適用されます。(個別対応方式は選択できません)
一括比例配分方式を選択した場合には、2年間継続して適用した後でなければ個別対応方式に変更することができません。

個別対応方式
仕入税額控除の計算は次のように行います。
(課税売上のみに要する課税仕入れ等の税額)+(課税売上と非課税売上に共通して要する課税仕入れ等の税額×課税売上割合)

一括比例配分方式
仕入税額控除の計算は以下のように行います。
(その課税期間中の課税仕入れ等に係る税額の合計額×課税売上割合)

仕入税額控除に関する明細書の添付の義務付け
消費税の還付申告書を提出する事業者に対し、「仕入税額控除に関する明細書」について還付申告書への添付を義務付け、記載事項の見直しを行うこととされました。
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